シボレーとのエンジン対決となって3年目を迎える米国最高峰のオープンホイールレース、インディカー・シリーズ。昨年までホンダのエースチームだったチップガナッシが今季はシボレー陣営に移り、入れ代わるようにアンドレッティ・オートスポーツがホンダ陣営に加わるなどしているが、琢磨の所属先はA.J.フォイト・レーシングで不動だ。昨年、日本人選手として初のインディカー優勝を果たした「特別なチーム」(昨年の本人談)で、さらなる高みを目指す。
「早いもので北米挑戦5年目です。今年は基本的には昨年と変わらない体制で、A.J.フォイトでの2年目を迎えることになりました。ホンダエンジンはツインターボ仕様に変わったんですが(昨年まではシングル)、テストでドライバビリティ向上などの好感触が得られています。2〜3月のテストでもさらなるパワーアップのステージが用意されているようなので楽しみです」。昨年は序盤で初優勝こそ遂げたが、シリーズ総合では14位に沈んだだけに「今年はシーズン最後まで安定したレースをして上位リザルトを重ね、複数勝利を狙っていきたい」との意気込みを琢磨は語っている。
なお、今季はシーズン中もテストとレース日程がよりタイトになるため「インディカーに集中します」とのことで、スーパーフォーミュラへのスポット参戦は行なわない意向。日本のファンには少し残念なところだが、その分もインディでの活躍に期待したい。
一方のWTCCは今季がワークスとしてのフル参戦2年目。車両規定変更に伴い「シビックWTCC」は相応の変化を遂げているが、ワークス(Castrol Honda World Touring Car Team)のドライバー布陣はガブリエーレ・タルクィーニ(昨季2勝)とティアゴ・モンテイロ(昨季1勝)で変化なし。ふたりは発表会に来場、モンテイロは今季への意気込みを「マシン、エンジン、コンペティション(競争)など、いろいろと新しいことがあるシーズンだ。去年以上に、さらに良いシーズンにしたいと思い、準備を進めている」と語った。
プライベーターチームからの参戦が規模拡大となっており、続投のノルベルト・ミケリス(昨季1勝)に加えメディ・ベナーニもホンダ陣営に参画、ワークスを含め今季は計3チーム4台のシビックWTCCがフル参戦する。最注目ポイントはモンテイロ言うところの「新しい競争」の相手、新規参戦のシトロエンワークスとのマッチアップだろう。WTCC王座4回獲得(2008、10、11、13年)のイヴァン・ミュラーに加え、WRC(世界ラリー選手権)で04〜12年に9連覇したセバスチャン・ローブという強力布陣に対してホンダ勢がどう戦うか、興味深いところだ。
今季のインディカー・シリーズは3月30日決勝のセント・ピーターズバーグ戦で、WTCCは4月12〜13日のモロッコ大会で、それぞれ開幕する(WTCC日本戦=鈴鹿は10月25〜26日)。