現在、路面が乾いた状態のときに用いられるドライタイヤには、硬い方から順に、ハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフトという4種類のタイヤが用意されている。ピレリは、各レースにはそのうち2種類のタイヤを持ち込むことになり、各チームは決勝レースでは必ずその両方のタイヤを使わなくてはならない。
それぞれのタイヤは、識別しやすいように色分けされており、ハードは側面のロゴやラインがオレンジ、ミディアムは白、ソフトは黄、スーパーソフトは赤で着色されている。
また、通常は各レースに持ち込まれるタイヤのうち、硬めのタイヤが基準となる「プライムタイヤ」と呼ばれ、軟らかめのタイヤが「オプションタイヤ」と呼ばれる。
結果として、2015年の開幕戦から第4戦までは、昨年と同じ組み合わせのタイヤが供給されることになる。
まず開幕戦のオーストラリアGP(15日決勝)には、ミディアムとソフトが持ち込まれる。これは、一部公道を利用したサーキットであるアルバート・パーク・サーキットの特性や、気温条件などの変化の幅が大きいことに対応するためだ。
一方、第2戦マレーシアGP(29日決勝)では、ハードとミディアムが使用されることになる。これはセパン・インターナショナル・サーキットでのタイヤの摩耗度が高くなることや、高い気温への対応を考慮してのものだ。
第3戦中国GP(4月12日決勝)と第4戦バーレーンGP(4月19日決勝)では、再びミディアムとソフトの組み合わせとなる。
中国GPが開催される上海インターナショナル・サーキットも、比較的タイヤに厳しいサーキットとして知られているが、独特のレイアウトによりさまざまな特性を併せ持つコースであることから、各チームのタイヤ戦略の幅が広がる組み合わせとされている。
また、バーレーンGPが行われるバーレーン・インターナショナル・サーキットは特にリアタイヤに厳しいサーキットだとして知られており、2013年まではハードとミディアムが組み合わされていた。だが、昨年から日没時から夜にかけてレースが行われるトワイライトレースとなったことにより、以前よりも路面温度が低い状態でのレースが可能となったことを受け、ミディアムとソフトの組み合わせが導入されている。
<2015年シーズン開幕戦から第4戦までの使用タイヤ>
開幕戦オーストラリアGP(3月15日決勝):ミディアム/ソフト
第2戦マレーシアGP(3月29日決勝):ハード/ミディアム
第3戦中国GP(4月12日決勝):ミディアム/ソフト
第4戦バーレーンGP(4月19日決勝):ミディアム/ソフト
ラベル:ピレリ