マクラーレン・メルセデスに対し、2007年のコンストラクターズポイントを剥奪すること、さらに1億ドル(約115億円)相当の罰金処分を科すことを決定した。
『ロイター』通信などが伝えている。
フェラーリの元テクニカルマネージャー、ナイジェル・ステップニー氏がマシンに関する機密事項を持ち出し、現在停職中のマクラーレンのチーフデザイナー、マイク・コフラン氏にその情報が渡った疑いがかけられたことを発端としているスペイ事件。
7月に行なわれた世界モータースポーツ評議会(WMSC)では、マクラーレンを有罪としながらも機密情報を実際に用いたとの立証が困難なため、ペナルティは科さないとの裁定が下されていた。
しかし今月5日、FIA側が新証拠の入手を明らかにしたことで、改めて13日に公聴会が開かれた。
公聴会は進行が遅れ、公式な発表が出るまでに一時「マクラーレンは2007年と2008年の選手権から除外される」と報道される混乱もあった。
最終的にFIAはマクラーレンに対し、「2007シーズンこれまで獲得したコンストラクターズポイントを剥奪し、今後もコンストラクターズポイントの獲得は認めない」、
「コンストラクターズポイント剥奪により失われる収入などを合わせ1億ドル相当の罰金を科す」、
「2008年に向けたマクラーレンのマシンは、事前に2007年12月に検査を行なう」などの処分を決めた。
裁定に関する詳細は14日に明らかにされるとのこと。
この決定により、143ポイントでコンストラクターズランキング2位につけていたフェラーリが単独トップに立つこととなった。
BMWザウバーが86ポイントで続く。
なお、ドライバーズポイントに関してはペナルティが適用されず、マクラーレンの両ドライバーは今後もタイトル獲得を目指すことができる。
フェラーリはFIAの決定を支持する声明を出したものの、一方のマクラーレンは反発の姿勢を示しており、14日に発表される詳細を待ってから控訴するか否かを決めるとした。
[ISM]