チームはすでに木曜日にはヴァレンシアで、ルーベンス・バリチェロがハンドルを握ってシェイクダウンを済ませている。
2008年カラーのRA108のお披露目は、新しいテスト兼リザーブドライバーのアレクサンダー・ブルツの役目となった。
一番最初にこのRA108を運転することとなったブルツは、世界中から集まった報道陣やゲストなど300人の観衆の前で、ピットレーンを模した会場を駆け抜けた。
ホンダは2008年と長期の計画を発表し、F1に関わり続けていくことを明言した。
また、その野望を実現できるよう、チームを再生していくことを強調した。
チームの2008年のチャレンジは、3つの分野での大幅な躍進である。
そのうちもっとも基本となるのはクルマの設計理念を段階的に変えていくことである。
コンセプト決定から新車発表までの全工程が見直された。
新車は2007年シーズンの結果を考慮した答えであり、ブラックリー、ブラックネル、そして日本の栃木というホンダレーシングF1チームの3つの拠点のリソースを結集したものなのだ。
RA108はまた、強化されたエンジニアリングチームによって作られたものである。
このチームは、深い経験をもつこれまでの人員と、重要な部分における新しく幅広い専門知識を持った人たちを、新しいチーム代表のロス・ブラウンのリーダーシップがまとめ上げたものである。
また一方で、今年3年目となるジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロのコンビが引き続きドライバーを務めることのメリットもある。
高い開発能力を持つテスト兼リザーブドライバーのアレクサンダー・ブルツもあわせ、ホンダはF1のグリッド上で最も経験豊かなドライバーラインナップを誇ることとなる。
[GPUpdate.net]
ブラウン 「RA108はコンセプトが全く違う」
火曜日に、ホンダF1チームは2008年の新車を発表した。
ホンダの新しいチーム代表ロス・ブラウンは、チームの本部で、このRA108は昨年のマシンとはコンセプトから全く違ったクルマであると説明した。
「RA108は、空力のレイアウトや機械構造という点で昨年のクルマとは全く違う概念のものだ」とブラウンは語った。
「空力パッケージや開発に幅を持たせられるように考えられた設計理念で、特にシーズンを通して性能のアップグレードが容易にできるようにしてある」
「高い空力の効率と安定性が得られるようにというところに焦点をあてており、それが、異なるエアロダイナミクスの特徴やサスペンションと相互作用するように変更されたシャシーに現れている。このアプローチにより、更なる開発を行う余地ができた。その最初の開発はメルボルンに向けたもので、今日発表したこのクルマに、大幅に変更を加えたエアロダイナミクスのパッケージを持ち込むつもりだ」
「ホンダRA808Eエンジンは、FIAのエンジンホモロゲーションの規約に沿っており、そのためエンジンの部品の大部分は変わっていない。エキゾーストジオメトリーとエアボックスが、RA108のエアロダイナミクスパッケージに合うように変更されている。さらに、FIAの要求に従い、燃料には5.75%のバイオ燃料を使っている。これはホンダが全面的に支援している」
「最も大きなレギュレーションの変更のうちの2つが、電子系とギアボックスに関するものだ。FIAの標準ECUとソフトウェアを採用することになり、冬のテストの間はこの新しいシステムをRA108のエンジンやギアボックス、シャシーシステムに適応させるために懸命の作業を行った。トラクションコントロールやその他のドライバーエイドがなくなり、ドライバーの技術によるところが大きくなった」
「RA108の設計は、すべての部分においてFIAの安全規約と、ノーズやモノコック、リアの部分といった衝撃構造のクラッシュテスト基準に適合するように行われた。また、ヘッドレスト周辺についても、ドライバーの安全性をより高めるようにした」
[GPUpdate.net]