フェリペ マッサが、現地時間(以下、現地時間)10日、今季限りでフェラーリを離脱することを表明した。この結果、ロータスのキミ ライコネンが来季フェラーリに復帰する可能性が高まってきている。『ロイター』通信が伝えている。
この日、F.マッサはツイッターとインスタグラム(画像共有アプリ)を通じ「2014年以降は、もうフェラーリをドライブしない。一緒に経験したすべての勝利、すばらしい思い出に対しチームに感謝したい。来年からは、より多くのレースで勝て、チャンピオンシップに挑戦できるマシンを与えられるチームを見つけたい」と、フェラーリを去ることを明言した。
今のところフェラーリ側からコメントはないが、ルカ ディ モンテゼモーロ社長はドイツのフランクフルト・モーターショーで記者からの質問を受け、「今日はF1の話はしない。私はあるドライバーに復帰してもらえるように説得するし、明日、シューマッハと話すよ」とジョークを交え、K.ライコネンの話題を避けた。
ワールドチャンピオン7回のミハエル シューマッハは現在44歳で、メルセデスから3年間F1復帰したが、昨年末に完全引退した。もちろん来季のドライバー候補ではないが、現在33歳のK.ライコネンが候補であることは間違いない。
先週末の第12戦イタリアGP終了後には、すでにフェラーリとK.ライコネンの契約は結ばれていると噂されていたが、ザウバーのニコ ヒュルケンベルグも候補に入っていると見られている。一方、ロータスはまだK.ライコネン残留を望んでいると語っていた。
古巣復帰が広く噂されるK.ライコネンは、2007年にフェラーリでワールドチャンピオンに輝いたが、2009年末にフェルナンド・アロンソにシートを譲るためにWRC(世界ラリー選手権)に転向した。
しかし、K.ライコネンはポスト・シューマッハ時代の最初のチャンピオンであり、またフェラーリにタイトルをもたらした最後のドライバーでもあることから、熱狂的なフェラーリファン「ティフォシ」の間で絶大な人気を誇っている。
「Iceman(アイスマン)」のタトゥーを腕に入れているK.ライコネンは、冷静な性格で知られている。自分以外のことに興味がなく、無口で、メディア関連のイベントを欠席することも少なくなく、言葉よりもドライビングで自らを表現してきた。
パドックでの心理戦にも動揺を見せることなく、2009年末にフェラーリとF1から離れたときも後味の悪さを残さず、2012年にWRCからF1復帰したときはそのブランクをまったく感じさせなかった。
しかし、F.マッサの代わりにK.ライコネンが加入し、F.アロンソのチームメイトとなると、フェラーリとしては久しぶりに2人のワールドチャンピオンをチームに抱えることになる。
1950年代にはチーム創設者のエンツォ フェラーリが、アルベルト アスカリ、ジュゼッペ ファリーナの2人のイタリア人チャンピオンを擁していた。しかし、L.ディ・モンテゼモーロ社長は、過去に「ひとつの鶏小屋で2羽の雄鶏」を飼うことに反対すると明言していた。
1990年にはアラン プロストとナイジェル マンセルがフェラーリでチームメイトとなったが、N.マンセルがチャンピオンとなったのはウィリアムズに復帰した1992年だった。そして、1996年のミハエル シューマッハ加入以降は、明白なナンバー1体制を築いてきた。
一方、F.マッサは2008年にドライバーズランキング2位に食い込んだが、この年以来、優勝からは遠ざかっている。今季の表彰台もわずか1度だが、ここ数年はF.アロンソの忠実なチームメイトを務めてきた。
F.マッサの去就については過去数シーズンつねに話題に上ってきたが、今回は自ら引き際を明らかにしたかたちになった。もしF.マッサがF1シートを失えば、来季はブラジル人ドライバーがグリッドからいなくなる可能性もある。
なお、F.アロンソは前日9日にツイッター上で「僕はフェリペをとても尊敬している。僕たちはフェラーリに最大限のものをもたらすため、4年間、懸命に頑張ってきたし、親しくしていた。チームがどんな結論を下しても、僕にとってはいいことだし、フェラーリにできる限り最高の結果をもたらすため努力を続ける」とF.マッサに敬意を払いながらも、チームの決定を受け入れると語っていた。
多くのドライバーが夢見るフェラーリのレギュラーシートが空くことは、めったにない機会で、イタリアのメディアでは大きな話題となっている。
しかし、イタリアGPのレース後、フェラーリのチーム代表、ステファノ ドメニカリ氏は「我々はすべての要素をテーブルに広げている」と語り、簡単には結論は下されないと付け加えていた。
posted by Ayrton at 20:37|
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